VPNパススルーとは?設定方法やメリットを解説
更新日:2022.4.18
テレワーク環境を整えるために、VPN環境を自社で構築している企業担当の方も多いのではないでしょうか。VPN環境は構築が完了すると、社外から社内サーバーにアクセスできたり、セキュリティ性能が向上したりと、多くのメリットがあります。このVPN環境をサポートする仕組みとしてVPNパススルー機能があります。
今回はVPNパススルーの概要と設定する必要性について、わかりやすく解説していきます。VPNパススルーの設定方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
VPNパススルーとは?
VPNパススルーとは、VPNトラフィックをルーターからインターネット側へ通過させる仕組みを指します。
VPNパススルーはルーターに搭載されている機能で、最近のVPN対応ルーターであれば、基本的に利用できます。
プライベートネットワークを安全に拡張するための技術
VPN(Virtual Private Network)とは、プライベートネットワークを安全に拡張するための技術です。このVPNで使用するプロトコルが古いと、VPN通信にトラブルが起きてインターネットが利用できなくなる可能性があります。
VPNパススルーの機能は、VPN対応ルーターに搭載されている機能です。VPN環境の構築にはVPN対応ルーターが欠かせないため、導入する前に用意しておきましょう。
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VPNパススルーを利用するには対応ルーターが必要
最近のVPN対応ルーターのほとんどはVPNパススルー機能が搭載されていますが、出荷時は機能がオフになっていることがあります。また、稀にVPNパススルーに対応していないルーターもあるため、事前に搭載されている機能を確認する必要があります。
VPNパススルー機能は使用プロトコル毎にパススルー設定できますが、ルーターによってはひとつのプロトコルしか設定できない場合もあります。すでにVPN環境を構築している場合は、使用プロトコルを確認してからルーターを選ぶよう、注意してください。
関連記事:VPN対応ルーターとは|選び方と注意点を解説
VPNパススルーを設定する必要性とは
VPN接続は、使用しているOSやセキュリティソフトによって、パケットが遮断されてしまう可能性があります。
そのため、VPN接続をスムーズに行うためには、VPNパススルー機能の設定が必要となります。
ただし、VPN接続する際に使用しているプロトコルがPPTPまたはIPsecの場合、インターネットが利用できない可能性があります。PPTPやIPsecのように古いプロトコルは、ファイアウォールやパケットフィルターなどにブロックされ、インターネットに接続できない可能性も。
また、利用するデバイスがMacOS10以降の場合、PPTPでのVPN接続は対応していません。MacOSでVPN接続を検討している場合は、VPNに使用するプロトコルを十分に確認しておく必要があります。
VPNパススルーの設定方法
VPN対応ルーターは、最初からVPNパススルー機能がオンになっていることが多いですが、稀に設定されていないこともあります。
使用するルーターによって多少設定方法は異なりますが、基本的な設定方法は変わりません。下記の手順で設定を確認してみてください。
- ルーターの「設定画面」を開く
- 「セキュリティ」メニューを開き、「VPNパススルー」を選択
- 「PPTPパススルー」、「IPsecパススルー」、「L2TPパススルー」など任意のパススルーを選択
- 「保存」や「設定」を押下し、設定完了
ルーターによって設定方法は異なるため、メーカーの説明書やWebサイトを確認してみてください。
まとめ
VPNパススルー機能は、VPNの通信をインターネット側に通過させるために重要な機能です。使用しているプロトコルが古い場合は、接続トラブルの原因にもなりかねません。接続トラブルが起きたときは、使用しているVPNルーターの設定を見直し、VPNパススルー設定が有効になっているか確認してみてください。
通信環境によって速度遅延や通信制限にかかる可能性があります。社内外で快適にテレワークを行うためにも、インターネット回線は安定した通信が利用できる光回線がおすすめです。
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※2022年4月時点の情報です。